2026年1月現在、イランによるホルムズ海峡の「完全な封鎖」は実施されていませんが、軍事的緊張が極限まで高まっており、封鎖の懸念が再燃しています。
直近の状況と背景を整理しました。
1. 最新の動き(2026年1月下旬)
軍事演習の実施: イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は、2026年2月1日〜2日にホルムズ海峡で「実弾演習」を実施すると発表しました。これに先立ち、同海域周辺に飛行制限(NOTAM)を発令しています。
「完全支配」の宣言: IRGC司令官は、ホルムズ海峡の陸・海・空および水中を「完全に制御している」と表明し、どの国の船舶を通過させるかの決定権はイランにあると警告しました。
米国の圧力: トランプ政権はイランへの軍事的圧力を強めており、空母「アブラハム・リンカーン」などの艦隊を周辺海域に派遣。核合意に向けた交渉に応じなければ「さらなる攻撃」もあり得ると警告しています。
2. 背景:なぜ「封鎖」が取り沙汰されるのか
報復手段としての位置づけ: イランは過去(2025年6月など)に自国の核施設が攻撃を受けた際、国会がホルムズ海峡の封鎖を承認した経緯があります。軍事攻撃に対する「最強の切り札」として常に封鎖を示唆しています。
経済的自決: イラン側は「自国の石油が輸出できないのであれば、他国の輸出も許さない」という立場を一貫して取っています。
3. 封鎖された場合の影響ホルムズ海峡は、世界の石油・天然ガス供給の約2割(日量約2,000万バレル)が通過する、世界で最も重要なエネルギー輸送路です。
原油価格の高騰: 封鎖が現実味を帯びるだけで、市場では原油価格が上昇しています。実際に封鎖されれば、2008年当時の最高値を超えるような歴史的な価格高騰を招く恐れがあります。
日本への影響: 日本が輸入する原油の約8割〜9割がこの海峡を通過するため、封鎖は日本経済にとって死活問題となります。 今後の注目点現在の演習が「威嚇」に留まるのか、あるいは偶発的な衝突から「実力行使(機雷敷設など)」に発展するのかが焦点です。米国および周辺国(サウジアラビアなど)は、海峡の自由航行を維持するために警戒を強めています。

