ドイツ産業がエネルギー問題

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ドイツ産業がエネルギー問題、中国猛攻に需要低迷でかってない危機に追い詰められています。ドイツの人口は約8400万人(2022年)で、約1億2200万人(同)の日本の7割程度ですが、そのドイツが2024年にドル換算の名目GDPで日本を追い抜き、世界3位に上がりました。しかし、アメリカと中国に続く世界第3位の経済規模になったとは言え、ドイツ経済が順風満帆とは言えません。日本を追い抜き世界3位の大国が、現在直面している問題は、天然ガスの供給元だったロシアとの関係がウクライナ侵攻を機に悪化したことで、エネルギー価格が上昇し生産の下押し要因になっています。

エネルギー問題は深刻であり、化学や鉄鋼・非鉄など、製造工程で天然ガスや電力を多用するエネルギー多消費産業は、ウクライナ侵攻以降生産水準を2割弱落としており、未だ回復の兆しは見えていません。中でも自動車産業はドイツ政府の施策により電気自動車(EV)にシフトし、政府が戦略を見誤り最大手のフォルクスワーゲン(VW)も、会社設立以来初となるドイツ国内の工場閉鎖を検討しております。

また、メルセデスベンツも中国での販売も、中国最大手、比亜迪(BYD)との価格競争で苦戦しており苦境に立たされております。中国の低価格電気自動車(EV)が欧州にも販売を拡大しており、EU産業連合によりますと、2019年の輸入が29,000台から30万台に拡大。日産の2024年4~9月期連結業績は、営業利益が前年同期比90%減、世界で9千人の人員削減などのリストラ策を発表しました。現在、ドイツの自動車産業はかなり厳しい状況で、大きな曲がり角の岐路に立たされている。尚、独鉄鋼・機械大手のティッセン・クルップは25日、鉄鋼子会社ティッセン・クルップ・スチール・ヨーロッパの従業員約4割を削減する経営再建策を発表した。生産体制の合理化で2030年までに約5000人を減らすほか、事業売却などで約6000人を削減する。不振が続く主力部門の立て直しを図る。アジアからの安い輸入品が増えたことで、鋼材価格が下落、自動車産業等主要顧客の需要減が大きく影響しているのではと考えます。

2024年最新の世界GDPランキング(IMF(国際通貨基金)が発表した世界各国のGDP)

順位 国名    単位(百万US$)

1位 アメリカ  27,966,553

2位 中国    18,560,013

3位 ドイツ   4,700,875

4位 日本    4,286,187

5位 インド   4,105,381

2023年の世界GDPランキング

順位 国名     単位(百万US$)

1位 アメリカ   26,854,600

2位 中国     19,373,586

3位 日本   4,409,738

4位 ドイツ   4,308,854

5位 インド    3,736,882

2022年の世界GDPランキング

順位 国名     単位(百万US$)

1位 アメリカ   25,346,805

2位 中国    19,911,593

3位 日本    4,912,147

4位 ドイツ    4,256,540

5位 インド    3,534,743

2021年の世界GDPランキング

順位 国名          単位(百万US$)

1位アメリカ  22,675,271

2位 中国    16,642,318

3位 日本    5,378,136

4位 ドイツ     4,319,286

5位 イギリス    3,124,650

日本は、80年代世界第2の経済大国と言われバブルの絶頂期を、私も経験しました。それが2024年ドイツに抜かれ世界4位です。また、年々GDPも減少しています。日本の未来を考えると、現政権では衰退の一途を辿るだけです。