アマテラスが天岩戸に引き籠って、天地が闇に閉ざされた後、天の安河原での会議をした。
天岩戸に引き籠っている天照大御神(アマテラス)を外にどうやって出そうかと、知恵の神オモイカネを中心に会議で話し合い、色々な神々がアマテラスを岩から出すために工夫したが出てこない。岩戸の前で、ある神が大声で叫びます。
「アマテラスによく似た神様で、アマテラスよりも尊い神様が現れた!」
これはめでたいと神々は一斉に騒ぎ出しました。その時に裸踊りをして場を盛り上げたのがアメノウズメ。アマテラスは何やら騒がしい外の様子が氣になって、岩戸を少し開けて覗いてみると、そこには自分によく似た光り輝く神様がいたので驚きます。鏡に映る自分の姿だとは氣づかないアマテラスは、もっとよく見てみたいと思い、さらに岩戸を開け、一歩踏み出そうとしました。その瞬間、ここぞとばかりにアメノタヂカラオがアマテラスの腕を引いて、外に引っ張り出し、さらに岩戸を自慢の剛力で持ち上げ、遠くに投げ飛ばしたのでした。
アメノタヂカラオは、高天原(天界)で最も力が強い剛力の神様。アメノタヂカラオが岩戸を開け、アマテラスは太陽が照らす元の世界にもどる。光が外を照らし、そこにいる神々の顔が白くなった。
神々の顔、面(おも)が白いという事で、面白(おもしろい)となった。さらに高天ヶ原の神々は岩戸窟に縄を締め、二度と中に入れないようにします。この時にはった縄が注連縄(しめなわ)の由来とされます。アメノタヂカラオが投げ飛ばした天岩戸の扉は、日向(宮崎県)から信濃国戸隠山(長野県)に落ちたという説もあり、剛力ぶりは人間の常識では測れない目を見張るものがあります。